美容や健康にやさしい空間づくりのヒントを、
『キレイをつくる家づくり』として連載していきます。
第1回目は冷暖房編です。
■エアコンは肌の大敵
冬のエアコンは気軽に部屋を温められて、夏はあっという間に涼しくなりとても便利ですが、肌がカサついたり、喉が痛くなったりした経験はありませんか。
また夏などは冷えすぎて足や手などの血流が滞り、具合が悪くなる方もいらっしゃいます。
■輻射式空調は美容にも健康にもよくて快適
冷暖房=エアコンと思っている方が多いかもしれませんが実は違います。
輻射式という言葉を聞いたことがありますか。
聞きなれない方も多いかもしれませんが、送風によって温めるのではなく、遠赤外線で物体そのものを温める空調方式の事で、床暖房やオイルヒーターなどはこの輻射式です。また冷房も可能です。
輻射式というと難しく聞こえるかもしれませんが、太陽の熱も同じです。冷房は氷のつららがある鍾乳洞をイメージすると分かりやすいでしょう。
エアコンと違って体の表面を温めるのではなく、体の芯から温まるのでとても気持ちよく、また燃焼などで空気を汚したり乾燥させたりせず、また対流が無いので埃が舞うこともなく静かで驚くほど快適です。
また消費電力は一般的な全館空調より抑えられて経済的です。(局所冷暖房の場合を除きます)
■少しずつ広まる輻射式冷暖房
そんな良い事づくしの輻射式冷暖房はエアコンを設置せずに採用する方が少しずつ増えています。
デメリットとしては、機器自体のコストがエアコンに比べると少々高い事と、効果を最大限に求めると間取りにある程度の制限がでる事や断熱や遮熱が必要な為、新築時やリフォーム時など設計段階からの検討が望ましいという事があります。
ただ、最近は健康志向も高まり導入事例も増えてきた分、コストも一昔前に比べてだいぶお安くなりました。代表的なメーカーは2社あります。
私のお客様で採用された方もとても快適だとおっしゃっています。
また先日自然素材に配慮した素敵な賃貸住宅「ミーテの家」のオープンハウスに伺いましたがこちらでも採用されていて、スキップフロアにも関わらず、空間全体が温かいのはやはり輻射式冷暖房のおかげだと感じました。
健康や美容に配慮した空間にしたい方は是非検討してみてください。
一級建築士/グリーンライフプロデューサー
吉田美帆