(出典 www.visitsado.com)
ここ数年、食関係の知人から『佐渡島』というキーワードを聞く機会が多かったのですが、
今回の旅でその理由がすこし分かりましたのでまとめました。
旅するキッカケの無かった佐渡でしたが、
日頃美味しい焼鳥と日本ワインを味わせて頂いている東京緑が丘の『焼鳥かなめ』さんのお声かけにより、
佐渡に移住したフランス人ワイン醸造家ジャンマルクさんとの夢のコラボ企画に参加する目的で行くことができましたが想像以上に素晴らしいツアーでした。
さて、何故「佐渡島の食が美味しいか」という本題ですが、
理由その1【自然発生的な有機農法の立役者は『トキ』だった】
佐渡はオーガニックな野菜やお米が多くこだわりがあるのかと思っていたら、
なんと、希少鳥獣「トキ」を守るために、
必然的に有機農法という選択肢が取られたようです。
佐渡市はコシヒカリの農家に対して農薬を控えるのはもちろんのこと、水路やビオトープを設けるなどいくつかの指針も出しています。
そんな島民全体のトキを守ろうという意識が島の豊かな土壌を守っているのですね。
理由その2【農学的にみかんとりんごが取れる地域はあり得ない?】
島を案内してくれた方に言われてなるほど納得したのが、
佐渡島は『日本海側の地域でありながら南斜面がある』という事です。
島の地形がS字の様に入り組んでいて山や豊かな海岸線が多様性のある気候をつくり、
日本の気候の縮図とも言える為、とても豊かな植生が育まれるようです。
農学的にはみかんが育つ地域とりんごが育つ地域は全く別のエリアという事になりますが
多様性のある佐渡島ではそれが可能なんですね。
理由その3【文化的背景が豊かである事】
佐渡島は流刑のイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、
島を巡ってみてその歴史的、文化的水準が非常に高いことが分かります。
罪人と言っても貴族や文化人が政治的な理由で捕らわれていた為、
貴族文化がもたらされたこと、
江戸時代には国の経済を支えた金山、銀山への労働者が江戸から押し寄せた為、
江戸の武家文化ももたらされたという事が、
自然だけではなく、歴史的文化的にも魅力のある島となったようです。
その為感性の高い人達が移住してきて、素晴らしい食文化を築いていると言えると思います。
今回知り合った佐渡島の食関係の皆さんのお店はどこも最高に美味しく、
①フランスから移住したジャンマルク・ブリニョ夫妻のビストロ&ワイナリー「ラバルクドゥディオニゾス」
②NYから佐渡に移り住んで20数年のマーカス夫妻が営むベーカリーの「T&M」
③東京で修行されたご主人が打つ本格的蕎麦を古民家で頂けるそば処「茂左衛門(もぜむ)」
④佐渡の食材にこだわったフレンチ、イタリアンが頂けるオーベルジュレストランの「清助」
皆さんお仲間で「UMAMI Labo」(ウマミラボ)
という佐渡の食文化についての研究を、生産、流通、販売に関わりながら研究されていて
佐渡島の自然が大好きで大切にしたい思いが伝わりました。
今回はちょうど桜が満開で最高の季節でしたが
また違う季節にも是非訪れたいです。
その後、せっかく新潟に行ったので「里山十帖」も訪れましたが、
こちらも魚沼のコシヒカリをはじめ、新潟の美味しいものを余すところなく
提供して頂ける最高のお宿でした。
里山十帖 created by 自遊人
〒949-6361
新潟県南魚沼市大沢1209-6
Tel. 025-783-6777
いかがでしたでしょうか。是非美味しい佐渡に訪れてみてください。
グリーンライフプロデューサー 吉田美帆